属人性の排除とか(プログラマ以外編)

ちょっと昔話



私が前の会社で新人の頃に最初に行かされた案件の話。
誰もが知っている大手SI屋が元請けで誰もが知っている家電メーカー相手にやっている2000人月の大規模プロジェクトで、
新人だった私には各テスト環境向けにビルドとデプロイをするだけの刺身タンポポな仕事があてがわれました。
CVSでつけられたタグ名のセットを受け取って順繰りにexportして…とかそんな感じだったと思います。
私の同僚がミスを連発する等して一日分の結合テストが丸々無駄になったということもままありました。


私は刺身タンポポ作業が退屈で仕方なかったので、作業を自動化するツールを作って、
作業量と作業の際に必要な集中力の量を大幅に減らしました。
ミスはほとんど起こらなくなりました。
私は仕事中はほぼイソターネッツ三昧でしたがプロジェクトの偉い人にとても誉められましたし、
高評価が営業を通して会社に伝わったので、会社での扱いもそれなりに良くなりました。


その後、同僚から聞いた話では、同じ大手SI屋が同じ家電メーカー相手にやっているプロジェクトで、
新人にテスト環境にビルドとデプロイをするだけの刺身タンポポな仕事があてがわれ、
ミスをする事もままあってグダグダだったそうです。

まとめると

誰もが知ってる大手SI屋が大事なプロジェクトで、
失敗していたらそれなりの人数が1日にした作業が丸々無駄になるような定型作業を、
出来のいい新人か出来の悪い新人かで正否が分かれるような「属人性の高い」手作業のままにしておいて、
しかも、その改善は派遣の新人ごときにできるものだったという事。

言いたい事

こういうことについての、属人性を排した仕組みを作って、
それをプロジェクトをまたいで使い回すとかしていないのに、
属人性の排除とか言っても説得力0。

おまけ

ちなみにこれはまだいい方で、
結合テスト環境から開発時に使っているCVSのサーバに接続出来ず、
開発拠点のオフィスから結合テストの対象になるソースをzipで固めてメールに添付して送り、
それをサーバ上でjavacコマンドでコンパイルして以下略(ANTって何?食えるの?)という破滅も見た事がありますが、
誰もが知ってる大手SI屋が誰もが知ってる大手カード会社相手にやっている案件でした。